盗作するつもりはなかったのに
個人的な趣味でハンドメイド作品を制作しているのならまったく気にならないけれど。
もしもそれを「お金をいただいて販売する」となると、いろいろと考えなくてはいけないことは多々ありますよね…。
今日はそんな「考えなくてはいけない非常にデリケートな問題」のひとつでもある「作品の真似をする」ということについて、わたしなりに考えたことを綴りたいと思います。ミモモスティの未桃みもです、こんにちは!
すべての芸術は模倣から出発する?
「真似をする」なんて柔らかくボカシて書いていますが…ようするに「盗作」ですよね。
しかしわたしだってハンドメイドのかんざしを作りはじめたときは、他の人の作品をよく見て自分なりに「研究」をしていました。
全体的なデザインをはじめ、ビーズやパーツの組み合わせ方などいろいろと参考にして作っていました。今だってそうです。
さすがに同じものを作ってそれを販売しようと思ったことはないですけれど。
凄いアイデアがひらめいてしまった
それは一瞬の出来事
上の写真の「ぶどうモチーフのかんざし」はわたしが作ったものです。
とあるお店だったでしょうか…ドロップ型(雫型)のチェコガラスビーズ20個入りの商品が売られているのを目にした瞬間、
「これは…使える! ビーズを上手く繋げればぶどう(のかんざし)が作れる!!」
というアイデアがパッとひらめいたのです。
さっそく制作に着手
とりあえず試作品をつくってみるべしと即座にビーズを購入。色はたぶんライトアメジストだったと思います。
帰宅後さっそく制作にとりかかりました。
ドロップ型のビーズ20個をどうにかしてぶどうの形になるように繋げていきます。
ああでもないこうでもないと悩み、考え、試行錯誤しながら作っていくわたし。最終段階ではもともと持っていた葉っぱの形のメタルパーツを一番上に付けてみました。
そして少々いびつな形状ながらも、20個のビーズを繋げてなんとかぶどうのような形に仕上げることに成功したのです。
これは売れると確信
わたしは自分のアイデアとひらめきにご満悦。ぶどうモチーフの完成に喜びいっぱいで、部屋の中を跳びまわりました。
「そうだ。本物のぶどうのように、濃い紫や赤っぽい紫色のビーズも買って、同じように繋げていろんな色のぶどうを作ろう!」
「かんざしだけじゃなくてピアスを作ってもかわいいかも!!」
「これを売ったら大ヒット間違いなし!!!」
オリジナル作品の出来栄えに満足気分いっぱいのわたしはそんなことを考えながら、このビーズの色違いも購入すべく、さまざまなサイトを見て回ったりしたのでした。
世の中はぶどうのように甘くはない
突然突き付けられた現実
しかし。
そうやってインターネット上のいろいろなサイトをめぐっていたわたしはある日、その事実を知って愕然としました。
わたしと同じことを考えている人はすでに他にもいたのです。
ドロップ型のビーズを繋ぎ合わせてぶどうを作る…そのアイデアを実際に上手に形にして、ぶどうモチーフのアクセサリーを制作して販売している人。
サイズ違いのドロップ型ビーズを組み合わせてきれいな形のぶどうを作る、そんな方法を親切丁寧に解説したサイト。
それらがとっくの昔から存在していたことを目の当たりにしたわたしは、驚くとともに非常にガッカリして肩を落としたのでした。
「せっかく色違いのビーズも買ったのに…」
偶発的に起こりうる事態
ただひとつだけ安堵したことがあります。
もしもわたしがこの「ぶどうモチーフかんざし」を何も知らずに世に出していたら。
とんだ恥晒し…だけで済んだらまだいいほうで、ヘタをしたら「盗作」「パクリ」「作り方の無断転用」をした人間として、強く非難されていた可能性もあったのです。
本人には「決してそのつもりはなかったのに」です。
今回はたまたまこうして自分で気がつくことができてよかったのですが、そうでない場合もきっとあります。
どうしたらこのような「偶発的に起こりうる事態」を避けることができるのか、うんと悩み考えこんでしまいました。
わたしなりに解決方法を探ってみた
冷静になりよく考える
「『パッとひらめいたアイデア』は自分が瞬時に思いつくくらいだから、当然他の人も一度は考えるであろうことを想像する」
ということがまずひとつです。
落ち着いてよく考えてみたら「紫色のドロップ型ビーズ=ぶどうの粒に似ている」というのは誰でも思いつきそうなものですよね。
何かのアイデアが突然思いついた時はとにかく冷静さを失っているので、興奮状態が収まってから改めてしっかりと向き合って考えるべきだと思います。
事前にきちんと調べる
「もしも自分のアイデアでつくった作品を発表・販売する際には、同ジャンルに似たようなものはないか事前に徹底的にリサーチする」
というのがふたつめの方法です。
これは確実な方法ともいえるでしょう。何よりもネット社会。パソコンやスマホで検索して調べればいくらでも情報は出てきます。
ただし作品を発表するたびに隅から隅までじっくりと探していくのは非常に手間がかかりますよね、面倒ですよね。
忙しい現代人には不向きな手段かもしれません。
いっそのこと割り切る
特にアクセサリーなどはその時の流行によって、色や形や組み合わせがどうしても似たり寄ったりなものになってしまうのは致し方ないと思います。
たとえば。
わたしがかんざしやピアス制作の参考によく見ているのは「BIGLOBE Beauty」というサイトの中の「ハンドメイド」のカテゴリーなのですが。
その中の「ピアス・イヤリング」というアイテムだけをずっと追いかけて見ていても、驚くほど似たようなものが連続して掲載されていることがあったりします。
(まあ、同じテーマ?タグ?で見続けているせいもあるかもしれませんが…)
似ているけど微妙に違う…でも似ている…という印象を受けるアクセサリーのなんと多いことか。
某ハンドメイドマーケットサイトから特に人気のアイテムを厳選して掲載しているようなので「似ている=流行っている=人気がある」という図式が成立してもおかしくはないと思います。
なので。
考えようによっては「似ているものはどれも人気のあるものである」といえるのではないでしょうか。
意図せずそっくりな作品をつくってしまったとしても、それが今の流行、世の中に需要があるということで、割り切ってしまうのもアリではないかと思うのです。
ちなみにこのサイト、かんざしは一切載っていません!笑 需要がないのですね…。
まとめ:人の真似を避けるためには
でもやっぱり他の人と作風が似るのはイヤだ。自分のアイデアを活かした作品をつくりたい。そう思うひとは多いのではないでしょうか。
それならば今一度、先ほども述べた
- 「冷静になりよく考える」
- 「事前にきちんと調べる」
という行動とともに
「思いついた発想やひらめきをいったん手放す」
という勇気も必要なのではないでしょうか。
ジタバタと悪あがきををせず自分の作品を客観的に見ることで
「ああ、これはそれほど個性のあるものではなかったな」
とか、
「ものすごくいいものだと思っていたけれどそうでもなかったな」
などと感じる部分もあると思います。
そして意外なアイテムに対して
「なかなか独自性があってよいのではないだろうか」
という新たな気づきを得ることもある…かもしれません。
あとは
「自分の中の常識を一度ぶっ壊してみる」
というのも有効ではないかなと。
「ドロップ型ビーズはぶどうモチーフにピッタリ!」
という観念を思い切ってバッサリと捨ててみれば、全く違う活用法を見出せそうな気がします。
……かく言うわたしも「この色違いのドロップ型ビーズを今後どう使っていくか」というのを、これまでの先入観や自分の中の常識を壊して新しく考えだそうとしているところです。
まあ自分で使うかんざしを作る分には、色違いのぶどうがいくつあっても別に悪くないと思うのですがね。
というわけで、なんだか長くなってしましましたが。
今のわたしは自分の作ったものを販売する立場ではないので好き勝手なことを言えるのかもしれない、という部分もあります。
もちろん販売などはせず、作品をつくることだけを純粋に楽しんでいる方は、その過程を大いに満喫していただければと思っています。
どうか充実したハンドメイド作品制作ライフをお送りくださいませ。
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!
またお会いしましょう。
それでは本日はこのへんで失礼いたします。
↑わたしが購入したのはこのお店ではありませんが、最初に作ったぶどうモチーフはこちらのビーズと色もサイズも同じだと思います(たぶん…)。